こんにちは。
NICUといえば、保育器がずらっと並んでいるイメージの方も多いと思います。
もしくは、初めてNICUに入った時にびっくりした方もいるかもしれません。
保育器はなんのために使うのでしょう?
保育器には大きく分けて2種類あります。
▶︎閉鎖型保育器
いわゆる「保育器」ですね。
中の温度を0.1℃単位で調整できます。
また、水を入れることができ湿度も調整できます。
中に酸素を流すこともできます。
まだ体温調整が未熟な赤ちゃんたちには欠かせないお部屋です。
・早産や低出生体重で生まれ、体温調整が難しい赤ちゃんは必ずこの保育器に入ります。
また、早産の赤ちゃんは感染症にとても弱いので、感染を防ぐために。
・呼吸が苦しかったり、体調が悪くNICUに運ばれてきた赤ちゃんは呼吸状態をしっかり観察するために服を着せられません。(服を着ると胸の動きが見えにくいため)
はだかんぼでお部屋に寝かせるのではあっという間に寒くなってしまうので、保育器に入ります。
・点滴が入っている場合も施設によっては保育器に入るようです。点滴が観察しやすいこと、抜去(何かの拍子に抜けてしまうこと)のリスクを減らすためです。
・病院ではないところで生まれた場合も保育器に入ります。感染症などが万が一あったときに他の赤ちゃんに移らないようにするためです。
・保育器で黄疸の治療や酸素を使った治療をする施設もあります。
どんな赤ちゃんが保育器に入るかは、施設によって違う部分もありますが、概ね上記の理由が多いと思います。
ちなみに私が働いている病院は、体重が2000gを超えて、全身状態が良く、低体温がみられないようであれば保育器を卒業です!
▶︎開放型保育器
こちらはオープンクベース、インファントウォーマーともいいます。
フリー素材のイラストが見つけられなかったので、お手数ですが検索してみてください、、
(絵が下手すぎて描けない、、、)
こちらは簡単に言うとベッドに屋根をつけたバージョン。
屋根を暖めることで、赤ちゃんも暖めることができますが、常に部屋(保育器外)の空気と触れ合っているので、閉鎖型と比べると暖める力、一定の温度にする力はかなり劣ります。
ただ、壁がない分赤ちゃんとの距離はグッと近づきますし、お世話もしやすい。
また医療者からすると呼吸器なども管理しやすいです(私だけ?)
・体重がある程度しっかりあり、低体温のリスクが低い赤ちゃんに適します。
・保育器に入らなくてもよいが、点滴や呼吸器などの医療機器が必要な場合もよく使います。
ふつうの赤ちゃん用ベッドだと狭くて管理がしにくく、事故につながりかねないので。
・多少体重が小さくても、低体温さえクリアできれば使えることもあります。
家族との触れ合いをしやすく、愛着形成に有効との見方もあります。
また、閉鎖型保育器の屋根を動かすことができ、開放型保育器に近いような使い方もできるハイテク保育器もあります!
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