こんにちは。
NICUで赤ちゃんをうつぶせに寝かせている場面をみることがあると思います。
育児書などには、「うつぶせ寝はだめ!」と書いてありますが・・大丈夫ですか?と聞かれることがよくあります。
NICUでは赤ちゃんにモニターをつけさせて頂き、24時間常に状態を把握しています。なので、赤ちゃんが苦しくなっていればすぐに対応できます。
では、なぜうつぶせ寝をさせているのでしょう?
▶︎呼吸が楽
うつぶせにすることで、横隔膜(肺呼吸に関わる筋肉のこと)の位置が下がり、肺が広がりやすくなります。つまり、呼吸が楽になりやすい姿勢といえます。
大人も全力で走ったあとに、ゼエゼエするときは背中を丸めますよね?それは無意識にうつぶせ寝と似た姿勢をとっているからです。
ただし、ただうつぶせにしただけでは逆に苦しい場合もあります。今度別の記事にしようと思っている内容にはなりますが、NICUでは「ポジショニング」といって赤ちゃんの状態に合わせて、タオルや専用の物品を使って姿勢を整えています。
また、ミルクを飲んだあとや経管栄養中(口から飲めない赤ちゃんへ、チューブからミルクをあげること)、胃がふくらむことで横隔膜が圧迫される→呼吸が不安定になることがよくあります。うつぶせにすることで、ミルクが胃にとどまる時間が短くなることが分かっています。つまり、呼吸を抑制しやすい時間が減ることにつながります。
▶︎消化が促される
うつぶせにすることで、お腹に血液が集まりやすくなります。
基本的に人間の身体は、「今必要な臓器」に血液が集まりやすいので、脳や心臓が最優先。呼吸が苦しいなどの症状があれば肺に集まりやすい、といった特徴があります。
消化(胃など)はすぐに命に関わるものではなく後回しにされがちで、つまり赤ちゃんの具合が安定していないと胃腸の動きはにぶくなりやすいです。
うつぶせ寝にすることで、前述したとおり呼吸は楽になり、かつ血液も集めやすくなるため消化は促されやすくなります。
▶︎赤ちゃんが落ち着きやすい、発達を促しやすい
※家では「うつぶせ寝」はダメです!
うつぶせ寝にすることで、赤ちゃんは屈曲位(腕や足を曲げて丸まっている姿勢)をとりやすくなります。お腹の中〜生まれてから赤ちゃんはこの姿勢をとるのですが、まだ体重が小さく筋肉が少ない赤ちゃんはうまく姿勢を維持できません。重力に負けてしまい、手足を伸ばしてしまいます。
なので、姿勢を整えてあげる必要があります。うつぶせ寝のほうが姿勢をしっかり整えることができます。
赤ちゃんが楽になる=落ち着く時間も増えますし、休息をとりやすく発達を促すことにつながります!
長くなってしまったので発達についてもまた後日…!