こんばんは。更新がかなりの間滞ってしまってすみません。
今回は、「経管栄養」について書いていきます。
■目次■
1.経管栄養とは?なぜ必要なの?
2.どうやってやるの?
3.経管栄養からどうやって経口哺乳へ移行していくの?
1.経管栄養とは?
経管栄養とは、胃チューブ(ST,NGなどと略されます)から直接胃へ薬、ミルクを送ってあげる方法です。
早く産まれた赤ちゃんは、口からミルクを上手に飲むことができません。
だいたい35週ごろから「息をしながら」「ミルクを吸って」「飲み込む」ことができるようになってきます。それまでは、口から飲むことで呼吸を忘れたり、ムセたりしてしまいます。なので、口や鼻から胃までチューブを入れることになります。
また、嘔吐が頻繁にあったり消化器系の病気・症状がある場合や、口唇口蓋裂など哺乳そのものが難しい場合、本人に哺乳の意欲がない場合、空気をたくさん飲み込んでしまう場合(チューブから空気を抜きます)にも多く用いられます。
2.どうやってやるの?
口や鼻の穴からチューブを入れます。呼吸に合わせながら入れるとスムーズです。
チューブが抜けないように、テープで固定します。
医師や看護師が、チューブがちゃんと「胃」に入っていることを確認します。もし気管に入っていたら大変なので、経管栄養をする前にも必ず確認します。
(看護師が黄色い注射器をチューブにさして、聴診器でなにやら音を聞いている様子があると思います。)
薬やミルクをチューブから入れます。量が多いときは、
・自然滴下→ミルクを入れた注射器の高さを変えて注入の速さを調節する
・シリンジポンプ(機械)を使う→一定の量を正確に注入できる。ゆっくり注入するときはこちらが主
のどちらかが多いと思います。
注入の速度は、赤ちゃんの呼吸や消化など状態をみて判断します。
消化が追い付いていない、呼吸状態が不安定、嘔吐が多いなど症状が目立つときはゆっくり1時間かけることもよくあります。全身状態は良いけれど、まだ口から飲むのは難しい・・・などの場合は30分程度。経験上、あまり早く注入すると吐いてしまうことが多いです。
3.経管栄養からどうやって経口哺乳へ移行するの?
口から飲めるようになる時期は、正直赤ちゃんによって様々なので「ここ!」と一言でお伝えするのは難しいです。先生の考え方にもよるかもしれません。
早産の赤ちゃんの場合は、修正34~35週になったら「少し口から飲む+注入」から初めて、徐々に経口哺乳へ移行していきます。最初は一生懸命飲むあまり息を止めてアラームを鳴らしたり、顔色が悪くなる、途中で寝てしまうパターンがほとんどです。週数が進むと改善してきます。1日目で全量飲めてしまう子もいれば、数か月かかる子もいます。
口唇口蓋裂などの場合は、専用の哺乳瓶を使って練習していきます。
呼吸状態が良くない、など具合の悪い場合は本人の意欲と身体の状態を考えて、慎重に進めます。