更新が滞っていましてすみません。
今回は前回に続いて早産(早産ではない赤ちゃんにも当てはまることもありますが)の子の循環についてです。
循環というのは、心臓の動きや血液の流れを指します。
1.高い心拍出量
赤ちゃんは大人に比べると1回の心拍出量(心臓が血液を送る)が高い。
=常に目いっぱい働いていて、余力が少ない。
2.心臓の筋肉が未熟
必要に応じて心臓から1回のどきどきで送る血液の量を増やすことが難しい。
=心不全になりやすい
3.心拍数に依存している
もともと目いっぱい働いている&送る血液の「量」を増やすのは難しいので、血液をもっと送らなければならないときは心臓を動かす回数を増やしている。
泣いているときはモニタ上に心拍数が200回などと表示されてびっくりすることもあるかもしれません。
4.血液が減ったり酸欠になると大事な臓器が優先される
出血続いて血液が減ったり、呼吸状態の悪化で酸欠になったりすると脳、心臓、肺に多くの血液が流れるようになる。逆に言えば、優先度の低い臓器が酸欠になりやすい。
早産の赤ちゃんで起こりやすい壊死性腸炎は、この特徴が原因とも考えられます。
5.大人と心臓の構造が違う
これは早産ではなくても、赤ちゃんみんなに当てはまることです。
お腹の中にいるときと、生まれた後では心臓の構造、血液の流れが違います。
お腹の中ではお母さんから酸素をもらっていますが、生まれた瞬間から赤ちゃんは自分の肺や心臓の力だけで酸素を得て生きていかなければなりません。
「お母さんに助けてもらうときの心臓の構造、血液の流れ」から、「自分だけで生きていくための心臓の構造、血液の流れ」に変化させるときに、なにかしらの理由でうまくいかない、時間がかかることがあります。
動脈管開存症、卵円孔開存、などがよく出会う症状としてあげられます。
こちらはよく起こることなので、また別の記事でまとめますね。